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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2019.10.24,Thu
英文誌の特徴(Internal Medicine編)
Internal MedicineのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。今回は他誌の紹介に比べて批判が多めです。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
Internal Medicineは日本内科学会から発行される英文誌です。

2.内容
Internal Medicineは年24回(2回/月・毎月2日、15日)発行される雑誌であり、臨床現場で役立ち医学教育に資する雑誌を掲げ、内科医の育成および内科学の発展に寄与することを目的(日本内科学科HPより)としています。2018年のIFは0.956であり、Case reportを多数掲載することを勘案しても少し物足りない値です。

本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Pictures in Clinical Medicine」です。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. 字数は「150 words
2. 画像は「4枚以下
3. なお画像の説明文は不要です
4. Referenceは「2本以下
5. Author数は「4名以下
6. タイトルは「8 words以内
7. 日本内科学会会員に限り投稿料は無料、それ以外は「300$

4.査読
査読については規定に特別の記載があるわけではありません。特に紹介できることもないので以下に私がIMに投稿した際に経験した幾つかの出来事について紹介します。

【字数制限】
上述したとおり「150 wordsが制限」とAuthor Informationに記載があります。150 wordsが制限の英文誌といえばNEJMが有名ですが、提出の際には150 wordsを超過し200 wordsを超えていることも少なくありません。しかしながらIMでは157 wordsであっても字数制限のため修正提出を要求されました。10%程度の超過は一般的に許容範囲なのではないでしょうか。

それについて問い合わせメールを送ったところ「規定では150 words以内としておりますが、10 words程度の超過は認めているため、IM-受付番号-17-Pは受付させていただきました」との返信が…。
 
【査読期間がとにかく長い】
AcceptされたClinical Pictureはこれまで2本ありました。最初にアクセプトされた症例(Uvula Hematoma)では提出から30日程度で第一報が返ってきました。2本目(Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth)に関してはなんと150日の査読期間を要しました。90日経過してもScholar One ManuscriptのStatusすら変化がないため、業を煮やして問い合わせをしたところ、事務局よりすぐに返信はあったもののさらに60日経過してから返信がありました。

NEJMでは90日程度かかる場合もザラにあり(200日でのReject経験もあり)、査読期間が長いものだという心構えがありましたが、IMでここまで待たされるとは思ってもみませんでした。QJMやGastroenterologyの1週間、CMAJのきっかり14日間に慣れている身としてはClinical Pictureの分野でこの期間はどうなの?と疑問を感じざるをえません(CCJMもかなり長いですが60日は今のところ超えていません)。

このCaseに関しては写真として非常に綺麗であったので、IFの低さも併せると他誌に投稿すれば良かったと本当に後悔しています。

【謎の理由でReject】
最後にRejectされたCaseについて記載します。ある症例を提出したところ数点の修正事案がありました。Reviewerの指摘に沿って修正をし再提出を行ったところ「前回のコメントに対する修正が不十分です。Imageだけでは得るものが少ないので病態生理も併せて検討できる症例報告へ再投稿を」とだけ記載がありReject…3ヵ月以上の時間が経過していました。「前回のコメントに対する修正が不十分」だけであれば納得しますが、後半に関しては全くもって意味がわかりません。じゃあなぜMinor Revisionという返信をしたのかと問いたくなります。結局そのCaseは他誌に投稿し現在修正待ちとなっています。

査読者はボランティアであり、業務の合間をぬって評価をいただいていることは重々承知です。しかしながら、その他IMに投稿経験のある医師(Clinical Picture以外でも)に話を聞くと、IMでは今回のような事態は私に限らず、いろいろなところでしばしば起きているように思われます。

CMAJのように査読の流れをすべて公開せよ、とまではいいませんがもう少し改善の余地があるのではないでしょうか。以上のようなことが続いていますので、私がIMの「Pictures in Clinical Medicine」に投稿することは今後しばらくありませんし、そしてオススメすることもありません。

5. Accept後
Accept後、1-2週間程度でArticle in pressとして掲載されます。Accept後に3-4か月程度でProofの確認がありましたが特筆するような注意点はありません。

6.その他
事務的な対応は日本語でできるのが強みです。逆にIMで良いところはそこだけです。繰り返しになりますが本記事で紹介した内容はあくまでも私見です。IMが良いと思う方は是非今後も投稿してください。
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